Illuvium が DAU 4万・平均90分滞在を記録、Lamborghini 提携とステーキングV3で GameFi の再評価が進む

「Web3ゲームの93%が死んだ」――CoinDeskが先月伝えたCaladanのレポートは、150億ドル規模のバブル崩壊と開発者の撤退、消えていくトークンを並べて、GameFiという領域そのものに冷や水を浴びせた。多くの投資家が「もう終わった」と結論した。だがその同じ月、Illuvium(ILV)のオープンベータは日次アクティブユーザー4万人、平均プレイ時間90分という数字を叩き出している。これは「終わった業界」の指標ではない。むしろ、選別が進んだ後に残るプロジェクトの輪郭がようやく見えてきた、と読むのが素直だ。本稿ではIlluviumの足元のデータと、4月に動いた2つの大きな施策(Lamborghini提携・ステーキングV3とトーナメント機能)、そして国内ユーザーがILVに触れる際の経路を整理する。

4万DAUと90分滞在という数字の質

GameFiの「数字」には、いつも怪しさが付きまとってきた。2021年のAxie Infinityのピーク時DAUは270万と報じられたが、その8割はScholar(借りたNFTで稼ぐフィリピン中心のプレイヤー)で、実プレイ時間は中央値15分以下だったというデータもある。「稼ぐためにログインしている」状態を、本来の意味での滞在と呼ぶには無理があった。

Illuviumの「90分」は、その文脈で見ると質が違う。Steamの平均的なRPGタイトルが1セッション45〜60分とされる中、Web2の競合タイトルと比較しても遜色ない長さだ。GameFiが「稼ぐためにプレイ時間を引き伸ばす作業」から、「面白いから滞在する時間」へ変質しつつある可能性を、この数字は示している。

DAU 4万という数値は、伝統的なAAAタイトルからすれば小さい。ただしIlluviumの場合、ILVトークン保有者の多くがプレイヤーと重なっている構造を加味すれば、Daily PayingユーザーとしてはWeb3ゲームの中で最上位クラスに位置する。プレイヤーの厚みではなくエンゲージメントの濃度で勝負しているプロジェクト、という見方が妥当だ。

Lamborghini提携が示した「ブランド側の温度感」

4月10日に発表されたLamborghiniとのコラボは、ILVトークンを35%押し上げた。一過性のpump材料として処理する向きもあったが、見るべき層はもう一段深いところにある。

伝統ブランドがWeb3ゲームと組む際に評価しているのは、短期の話題ではなく「将来のZ世代との接点」だ。Lamborghiniは2022年からNFT領域に慎重に投資してきたブランドで、無計画には動かない。その彼らが、メタバース内に常設ショーケースを構える形でIlluviumとの連携に踏み切った点は重い。

GucciがThe Sandboxに出した実験的な店舗とは性格が異なる。あちらが「やってみた」レベルだったのに対し、Illuviumとの連携は数年単位の運用を前提に組まれている。Web3ゲームと伝統ブランドの関係が、単発のキャンペーンから恒常的な接点に切り替わりつつある一例として記録しておきたい動きだ。

ステーキングV3とトーナメントが示すトークノミクスの再設計

同じく4月10日にロールアウトされたStaking V3とトーナメント機能は、ILVのトークノミクスを「保有しているだけで報酬」から「ゲーム内のパフォーマンスに連動した報酬」へ寄せる設計変更だ。

2025年までのGameFiトークンと決定的に違うのはここで、従来は「トークン買って預ける→APRで増える→売る」という流れが固定化していた。結果としてトークン価格が下がり続ける構造になっていたわけだが、新しい設計はゲーム内の参加度合いとトークン価値を緩やかに結び直そうとしている。

機能しきるかは現時点では未確定だ。ただし初期の3週間でトーナメント参加プレイヤーは1.3万人を超え、ステーキングV3へ移行したILVは循環供給の27%に達したと、プロジェクト公式の集計が示している。動いている実データがあるという事実は、過去のGameFiトークンとは違う土台に立っていることを意味する。

国内ユーザーがILVに触れる際の経路

ILVは国内取引所(bitFlyer・Coincheck・bitbank・GMOコイン)では現物の取り扱いがない。まずこの点を事実として押さえておきたい。

つまり国内ユーザーがILV自体を保有したい場合、海外取引所を経由するか、Uniswap等のDEXで取得する必要がある。いずれの経路でも、まずは国内取引所でETHを購入し、自己ウォレットへ送金するというステップを踏むのが定石だ。

この入金経路の起点として、アプリの使い勝手とウォレット送金の流れがシンプルな国内取引所を選んでおくと、後工程の手間が大きく違う。ETHを購入してMetaMaskに送る一連の操作は、Web3ゲームに触れる多くのユーザーにとって最初の関門になりやすい部分で、ここを安定させておく意義は大きい。

なお本稿はILV自体の投資判断を推奨するものではない。価格動向はマクロ環境とプロジェクト固有要因の両方に左右されるため、保有や売買の意思決定は読者自身で行うべき領域だ。本記事はあくまでデータと事実関係の整理である。

それでもGameFi全体の選別は終わっていない

Illuviumのデータが好調だからといって、業界全体が反転したと結論するのは早い。Caladanの「93%が死んだ」というレポートは事実として残るし、残り7%のうちどれが生き残るかを見極める作業は、これから本格化する段階だ。

評価軸として優先すべきは、トークン価格よりもプレイヤーの滞在時間と継続率である。プレイ時間が短いまま価格だけが上下するプロジェクトは、これまでと同じ轍を踏む可能性が高い。逆にIlluviumのようにエンゲージメント指標が先に積み上がっているプロジェクトは、トークン価値が後追いで安定する余地がある。

GameFiは死んだのではなく、過剰だった部分が剥がれ落ちた段階に入った。残ったコアが面白いかどうかは、DAUと滞在時間という素朴なデータで判断できる時代になっている。投資家にとっても、プレイヤーにとっても、これは悪い変化ではない。

出典: CoinDesk掲載のCaladanレポート、Illuvium公式集計(2026年4月)

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の暗号資産や投資商品の購入を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。過去の実績は将来の利益を保証するものではありません。記事内には広告(アフィリエイトリンク)を含む場合があります。

タイトルとURLをコピーしました