「DeFiを始めたい」と思ったとき、最初にぶつかる壁が**「サービスが多すぎて、何から触ればいいか分からない」**問題だ。Uniswap、Aave、Lido、Curve、MakerDAO、Compound――名前は聞いたことがあるが、それぞれが何をするサービスかを正確に説明できる初心者はほとんどいない。
この記事では、DeFiの主要サービスを5カテゴリに分類し、各カテゴリのトップ事業者を1〜2つずつピックアップして、何ができるか・誰に向くか・実際の使い方の概略を整理する。読み終わる頃には、自分が最初に触るべきサービスが決まっているはずだ。
DeFiサービスは大きく5つに分かれる
DeFiの全サービスは、ほぼ次の5カテゴリに集約できる。
- DEX(分散型取引所)
- レンディング(貸借)
- ステーキング(預け入れ報酬)
- 流動性提供(LP / Yield Farming)
- ステーブルコイン発行
順番に見ていく。
1. DEX(分散型取引所)
最も触りやすく、DeFiの入口として最適なカテゴリ。
Uniswap
- チェーン: Ethereum、Arbitrum、Polygon他
- 特徴: DeFi最大手。累計取引高2兆ドル超
- 使い方: 異なる暗号資産を交換する(例: ETH ↔︎ USDC、USDT ↔︎ DAI)
- 手数料: 0.05〜1%(プールにより異なる)
- おすすめ用途: DeFiを最初に触るならここ
操作はシンプル。MetaMaskをUniswapに接続し、交換したいトークンを選んで「Swap」ボタンを押すだけ。スマートコントラクトの典型的な活用事例で、初心者の腕試しに最適。
Curve Finance
- チェーン: Ethereum、Arbitrum、Polygon他
- 特徴: ステーブルコイン同士の交換に特化
- 手数料: 0.04%(業界最安水準)
- おすすめ用途: USDC ↔︎ USDT、DAI ↔︎ USDC等の大口取引
DEXの仕組みについてはスマートコントラクトの活用事例8選でも触れた。
2. レンディング(貸借)
「貸す」「借りる」をスマートコントラクトで行う。伝統的な銀行ローンの直接的な置き換え。
Aave
- チェーン: Ethereum、Arbitrum、Polygon、Avalanche他
- 特徴: DeFi最大級のレンディングプロトコル。TVL約120億ドル
- 使い方:
- 預ける: 暗号資産を預けて利息を得る(年利1〜10%)
- 借りる: 担保を入れて別の暗号資産を借りる
- おすすめ用途: 資産を遊ばせずに利息を得る
ETHを担保にしてUSDCを借りる、というのが典型的な使い方。保有資産を売らずに、追加の資金を確保したいときに使う。
Compound
- チェーン: Ethereum、Polygon、Base他
- 特徴: Aaveより歴史が長く、伝統的UI。業界の標準として使われる
- TVL: 約25億ドル
- おすすめ用途: 「安定運用を最優先」する人向け
レンディングは、借入金利が突然急騰するリスクがある。資産がオラクル価格の急変で自動清算される事例も過去にある。初心者は預ける側から始めるのが鉄則。
3. ステーキング(預け入れ報酬)
ブロックチェーンのセキュリティ維持に貢献し、報酬を受け取る。「定期預金のDeFi版」と理解するのが近い。
Lido
- チェーン: Ethereum(ETHステーキング特化)
- 特徴: ETHステーキング最大手、TVL約250億ドル
- 使い方: ETHをLidoに預けると、stETHというトークンが返る。**stETHを保持しているだけで自動的に利息(年利3〜5%)**が累積する
- おすすめ用途: ETHを長期保有しているなら、預ければ年利が増えるだけ
Lidoの強みは、預けたETHをいつでも引き出せる**「流動性付きステーキング」**であること。通常のETHステーキング(32ETH必要 + 引き出し制限あり)よりはるかに使いやすい。
Rocket Pool
- チェーン: Ethereum
- 特徴: より分散的なETHステーキング。0.01 ETHから預け入れ可能
- おすすめ用途: **「中央集権リスクを最小化」**したい上級者
ステーキングについては国内取引所(GMOコインやbitFlyer)でも「サービス内ステーキング」を提供しているが、年利はDeFiの方が概ね高い。詳しくはDeFiで稼ぐ方法|利回りファーミング・ステーキングの現実で深堀りした。
4. 流動性提供(LP / Yield Farming)
DEXに「両建て」で資産を預け、取引手数料の一部を受け取る。
仕組み
たとえばUniswapの「ETH/USDCプール」に、ETHを1個 + USDC 3,000個を預ける。すると、誰かがそのプールでETH↔︎USDC交換するたびに、手数料の一部があなたに分配される。
- 年利目安: 5〜30%(プールによる)
- 大変なリスク: インパーマネントロス(無常損失)
インパーマネントロスとは
価格変動によって、**「単にETHを保有していたほうがマシだった」**状態になる現象。たとえばETH価格が2倍になると、預けていたETHの一部がUSDCに変換されるため、含み益が小さくなる。
「安定運用に見えて実は変動リスクが大きい」のが流動性提供。これはDeFiのリスクと注意点で具体的な計算例を交えて解説した。
5. ステーブルコイン発行(MakerDAO)
「暗号資産を担保にして、米ドル相当のステーブルコインDAIを発行する」サービス。
使い方
- ETHを担保として預ける
- 担保価値の60〜75%まで、DAI(=1米ドル相当)を発行できる
- いつでも返済してETHを取り戻せる
- 担保価値が暴落すると自動清算(注意!)
例: ETHを30万円分預けて、20万円分のDAIを発行。ETHを売らずに現金化に近い動きができる。
ステーブルコインの仕組み全般はステーブルコインとは?仕組み・種類・使い方を完全解説で整理した。
自分はどのサービスから触るべきか
ニーズ別の判断軸。
- DeFiの操作に慣れたい(練習) → Uniswap でETH ↔︎ USDC を少額交換
- 保有資産を遊ばせず利息を得たい → Aave で USDC を預ける(年利2〜5%、安定)
- ETHを長期保有していて利回りを増やしたい → Lido でステーキング(年利3〜5%)
- 積極的に高利回りを狙いたい → Uniswapの流動性提供(年利5〜30%、リスク高)
- ETHを売らずに現金化したい → MakerDAOでDAI発行(担保管理に注意)
サービスを使うために必要な準備
DeFiサービス全般を触るには、共通して次が必要。
- 国内取引所の口座: ETHやUSDCを買う場所。取引高No.1の bitFlyer は安心感が高い
- MetaMaskなどのウォレット: DeFiサービスに接続する自分の財布
- ガス代用のETH: 取引手数料に少額必要
実機での具体的な始め方はDeFiの始め方|UniswapとAaveを使った実機ガイドに整理した。
まとめ:5カテゴリを地図にして、入口を1つ選ぶ
DeFiは「5つの金融カテゴリの集合」だ。すべてを同時に触る必要はない。むしろ、最初は1カテゴリ(Uniswap でのスワップ)を1ヶ月触り、操作に慣れてから次のカテゴリへ進むのが、長く続けるコツになる。
DeFiの全体像をさらに俯瞰したい人はDeFiとは?初心者向けに仕組み・なぜ普及したか・身近な使い方まで完全解説、リスクを先に押さえたい人はDeFiのリスクと注意点を合わせて読むのが、最も摩擦の少ない流れになる。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の暗号資産や投資商品の購入を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。過去の実績は将来の利益を保証するものではありません。

